ダクタリブログ
18. 熱射病 −冷水で処置後,病院へ−
2009.11.30
   熱射病は,見つけたときにすでに意識を失っているものもあり,取り返しのつかない場合も多い怖い病気です.体温が上がり高熱となるので,呼吸が速くなり体全体が熱く,元気がなくなり,ぐったりしてきます.
 高温多湿の季節に,犬を車の中や日の当たる所に置いておいたり,暑いのに水をあげるのを忘れたり,うっかり冷房を切ったまま外出したり,部屋を閉め切っていたり…といった,飼い主のミスで起きることが多い病気です.
 熱射病では?とうたぐったら,まず体温を測りましょう.高ければ,応急処置として,冷たい水で体中をぬらすか,全身を冷たい水につけてから,冷水に浸したタオルなどで体を冷やしながら,ただちに救急救命設備とスタッフがいる病院へ直行してください.
 熱射病になりやすい犬種としては,シーズー,パグ,フレンチブルドッグ,ペキニーズなどの短頭種やおでこの大きい犬,長毛種などが挙げられます.また心臓や肺,気管などの病気がある犬はかかりやすいので特に注意が必要です.種類とは関係なく,高齢犬,幼犬,長毛種などの犬などは梅雨どくから夏場,さらに残暑の秋口にかけて熱射病になることが多く,注意が必要です.
 短頭種の犬は生まれつき鼻孔が狭すぎる「鼻孔狭窄」と,のどの軟口蓋と呼ばれる部分が長すぎる「軟口蓋過長症」を持つものが多く,のどが狭いために,パンティング呼吸 (激しい強い呼吸で体温を下げる)がうまくできず,特に熱射病にかかりやすいのです.
 ですから,このような犬を飼っている人は,犬が元気なときにでも病院で診てもらい,この病気が発見されたら早速矯正手術を受けておきましょう.手術は全身麻酔が必要ですが,正しい麻酔の知識と技術,手術後の完全看護が確実にできるスタッフと,設備のある病院であれば安心です.
(産経新聞生活改革面掲載済み)

  

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